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臨時福祉給付金に対する意見書を執行しました。

臨時福祉給付金は、低所得者であれば、ホームレス状態にあるなど住民登録のない者にも支給されるべきである。」意見書を執行しました。

意見書(PDF)

平成26年2月26日

意見書

内閣総理大臣 安倍 晋三 殿

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

 

ホームレス総合相談ネットワーク
                    代表(弁護士) 森 川 文 人

事務局長代行 後 閑 一 博

1150045 東京都北区赤羽2623

電 話 0335980444

FAX 0335980445

意見の趣旨

 臨時福祉給付金は、低所得者であれば、ホームレス状態にあるなど住民登録のない者にも支給されるべきである。

意見の理由

  当会は、路上生活者、ネットカフェ難民等、社会的、経済的困窮のため安定した住居を有しない状態にある方々、生活保護受給者に対し、健康で文化的かつ人間の尊厳を保ちうるために相当程度の生活を送るための法的な支援を行うとともに、その人権を擁護し、違法な差別や偏見を除去することを目的として、弁護士・司法書士らが中心となって設立された団体です。

  政府は、平成25101日、平成26年4月の消費税率の引上げに際し、低所得者に与える負担の影響に鑑み、一体改革の枠組みの中で講じる社会保障の充実のための措置と併せ、低所得者に対する適切な配慮を行うため、暫定的・臨時的な措置として、対象者に1万円の給付を行う臨時福祉給付金(簡素な給付措置)を閣議決定しました。

  しかし、給付対象者について、①平成2611日現在、各市町村の住民基本台帳に記録されており、②市町村民税(均等割)が課税されていない者(市町村民税(均等割)が課税されている者の扶養親族等を除く)であって、③生活保護制度内で対応される被保護者等を除いた者。 としていることから、ホームレス状態にあるなど住民登録のない者が対象外となっています。

  言うまでもなく、消費税は、ほぼすべての国内における商品の販売、サービスの提供及び保税地域から引き取られる外国貨物を課税対象とし、取引の各段階ごとに課税されています。つまり、住民登録の有無を問わず消費者全体が担税していますので、ホームレス状態にあるなど住民登録のない者が、対象外になる合理的な根拠は何もありません。

  一部、配偶者からの暴力を理由に避難しているDV被害者に対しては、①裁判所の保護命令、②婦人相談所等の証明書、③住民基本台帳の閲覧制限等の支援措置、を要件に緩和措置が講じられているようですが、要件の一つである裁判所の保護命令は、年間2,000例程度しか発令されておらず、事実上、住民登録をせずに夫等からの暴力から避難する被害者の極一部でしかありません。

  臨時福祉給付金措置は、消費税の逆進性の緩和として講じられた措置であるのであるから、住民登録の有無により差別を設けることは、平等原則(憲法第14条)に反するといわざるを得ません。

  よって、当会は、ホームレス状態にあるなど住民登録のない者も同じ保障を受けられるように制度を見直すべきであると意見します。

以   上

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