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墨田区で施行される「家庭から出された墨田区廃棄物の減量及び処理に関する条例」

墨田区で10/1から施行される「家庭から出された墨田区廃棄物の減量及び処理に関する条例」について
意見書を提出いたしました。
労働市場からはじき出され、長期的に安定した仕事に就くことができず
アルミ缶収集などで細々と生計をたてていのちをつなでいる野宿者の暮らしと仕事を脅かす条例です。
当会はこの条例に強く反対いたします。

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2010年9月10日

墨田区
区 長 山 﨑   昇 殿
墨田区議会
議 長 西 原 文 隆 殿



ホームレス総合相談ネットワーク

意 見 書

当ホームレス総合相談ネットワーク(以下ネットワーク)は,ホームレスの方への法的支援を行う目的で平成15年に結成された団体であり,東京都と特別区が取り組んでいる緊急一時保護センターや自立支援センターでの法律相談や路上でのホームレスの方への法律相談等を通してホームレスの方の自立への支援や人権の擁護に取り組んでおります。

私たちは,貴区が本年10月1日からの施行を予定する,ゴミの持ち去り行為者に対し,罰則まで適用する「家庭から出された墨田区廃棄物の減量及び処理に関する条例」(以下「本件条例」という。)は,野宿者の生存権を侵害し,野宿者に対する社会的排除を助長するものであると考え,本件条例の施行に強く反対します。 
さまざまな事情から住居を失い,いったん野宿の状況に追い込まれると,その状況から脱出するのは容易ではありません。野宿者の相当数は,高齢であったり,けがや病気,障がいなどをかかえていたりして,現状の雇用システムからは排除されています。野宿者であるというだけで雇用に極めて消極的な態度をとる企業も少なくありません。
本来であれば,ホームレス状態にある方に対しては,生活保護を適用して,ゴミの持ち出しをせずとも最低限度の生活が保障されるべきものではありますが,野宿者に対する運用において,集団生活となる施設への入所が原則化され,施設で保護を受けるかさもなくば保護を断念するかの択一を迫る運用が横行しており,野宿者にとって利用しにくいものとなっています。このことは,貴区が「たまゆら」に収容保護実施していた事実からも明らかです。
野宿者は安定した収入も住居も奪われ,極度の貧困状態を強いられています。彼ら彼女らの多くにとって,アルミ缶等の廃品を収集して換金することは,命をつなぐための残された貴重な手段の一つとなっているのです。
このような現状において,適切な労働政策や福祉政策の実施もないままに,本件条例によってアルミ缶等の収集が禁止されてしまうと,野宿者の多くが生活の糧を奪われ,その生命が危険にさらされることになります。本件条例は,「健康で文化的な最低限度の生活」以下の生活を強いられている野宿者を更に困窮させるものであり,重大な人権侵害であるといえます。
また,本件条例は,野宿者に対する社会的排除を助長するおそれがあります。野宿者は差別と偏見にさらされ,社会的排除の対象になってきました。野宿者に対する誤解のもとに,野宿者支援のための宿泊施設の建設に対して地域住民による反対運動がおこる事例も散見されます。中高生などによる野宿者への嫌がらせ,殺傷行為も後を絶ちません。本件条例は,生きるためにアルミ缶等を収集する野宿者に「わるもの」というレッテルを貼るものであり,野宿者に対する社会的排除の風潮を助長しかねません。
日本社会で大きな社会問題となっている貧困問題は,社会の無理解と無関心のもとで広がり深刻になっていきました。ようやく最近になって貧困問題への社会的取り組みが政策的課題とされつつあります。貧困問題を克服するためには,貧困を可視化し,これまでの差別や偏見を乗り越える必要があります。ところが,本件条例は,明らかにこれに逆行するものです。
わたしたちは,野宿者に対する重大な人権侵害であり,排除的政策である本件条例の施行に,怒りをもって,反対を表明します。
以上

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