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有楽町のガード下

先日、市民の方から一本の電話が事務局にありました。

「有楽町のガード下にホームレス状態の高齢者の方が一人でいらっしゃいます。私は単なる通りがかりの者ですが、もうお年で、寒い中荷物もあまりなく、夜はシャッターの閉まったお店の前を寝床にされているようです。どうしたらよいかわからず、インターネットで調べていたら、こちらの団体を見つけました。何とかして差し上げられないでしょうか。区役所などにも問い合わせましたが、私に知識がないのであまり良い対応をされませんでした。私ができることなら何でもお手伝いしますので、何とかして差し上げたいのですが、どうしたら良いでしょうか。」


そんな内容のお電話でした。
私たちの事務局に、一般の方からそのようなお電話をいただいたのは初めてでした。
その方は、有楽町の方をココロから心配されており、時々差し入れなどもされているようでした。


「有楽町あたりにおにぎりを配る支援団体がありますから、すぐ連絡します。今日はちょうどおにぎりを配る日なので、その方を探してもらうようにお願いします。その後の対応については、またご報告いたします。」


そうお伝えして、「四ツ谷おにぎりの会」の方あてにMLにお願いをしました。
あいにく、教会のイースターの行事のため、その日のおにぎりを配るパトロールがないとのことでしたが、その人がすぐに見つかれば月曜日の福祉行動にお連れすることができるかもしれない、そしてメンバーのお一人が、「今日自分の用事のついでに有楽町の様子を見に行ってその方を探してみる」と、則連絡がきました。


そして、その方は見つかりました。
今日、月曜日、その方は「四ツ谷おにぎりの会」のメンバーと法律家に付き添われて、ある区の生活保護申請に向かい、保護をうけられることになり、今夜はとりあえず「ドヤ」(簡易宿泊所)に宿泊できることになりました。ですが、健康状態が悪いため、入院も検討されているとのことです。


ただ、退院後の行き先がまだ決まっていません。どこのグループホームも施設もいっぱいな状態です。もう高齢で足がお悪いので、階段の上がり下りなどができないそうです。現在、関係者でその方が長期的に入れる施設を探している状態です。


それでも、一人の市民の方の温かい心が、私たちの団体に届き、ネットワークができている団体のメンバーが迅速に対応してくださったことで、一人のホームレス状態の方を、屋根のある場所に保護することができました。その方からのご連絡がなければ、その方は支援団体にも見つけてもらえず、私たちの目の届かないところで、ずっと路上での生活を続けなければならなかったかもしれません。


私自身、多くのホームレス状態の方を、いろいろな場所でお見かけします。しかし、声をかけたり、話をおききしたりということまではなかなかできません。活動で多くの方と接しているうちに、その方たちの対応や事務作業だけでも精一杯になり、神経が麻痺してしまい、一人の方に対応してうまく保護ができても、まだまだたくさんの方が、路上生活をしていらっしゃる。追いかけっこのように、いつまでも続く、終わらない活動・・・そう思ってしまうからです。


それでも、今回のケースにはやはり、ひとりひとりの方のホームレス状態に、面と向き合わない限り、ホームレス問題は解決されないのだと、痛感させられました。そして、こういった活動をしながらも、活動の場以外では、ホームレス状態に有る方を無視してしまう、そんな自分を恥じました。


一人の方の「人を思いやる」というオモイが、ネットワークで多くの人につながり、最終的に行政による保護につながったことに、感動を覚えました。その方に本当に感謝しております。これからは、私も勇気を出して、ホームレス状態にあるおひとりおひとりに、声をかけていきたいと思いました。

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